1.リビングレイアウトの基本原則
① 動線の確保
リビングレイアウトの最も重要な原則は、動線(人が移動する経路)を確保することです。動線がスムーズでないと、家族や来客が移動しにくく、リビング全体が狭く感じられます。
一般的に、家具の間には最低でも60cmの通路幅を確保することが推奨されています。これにより、ソファの周りやテレビ台、ローテーブルの間を通る際に不便を感じにくくなります。
- 通路幅の目安: 60~90cm(理想は75cm以上)
- ドア前や窓際のスペース: ドアや窓の前には、少なくとも90cmのスペースを空けると、開閉時にスムーズな動きが可能です。
② リビングの広さと家具のバランス
家具のサイズと部屋の大きさのバランスも重要です。リビング全体の1/3以上を家具で埋めないように配置すると、空間に余裕が生まれ、広々とした印象になります。リビングが10畳(約16.5㎡)の場合、家具は6畳分(約10㎡)以下に収めるよう心がけましょう。
- 家具配置の目安: 家具の占有面積は部屋全体の30~40%に抑える。
③ 視覚的な広がりを持たせるための配置のコツ
家具の高さを抑えること、特にローボードや低めのソファを選ぶと、視覚的に広がりを感じられます。
壁沿いに家具を配置し、中央に余裕を持たせることで、動きやすく、開放感のあるレイアウトになります。
- 低めの家具の高さ: 60cm以下のローボードや40~45cmのローテーブルがおすすめ。
- 壁際配置: ソファやテレビ台は壁際に置き、中央に動線を確保。
2.テレビとソファの適切な距離
① テレビのインチ数ごとに推奨される視聴距離
テレビとソファの距離は、テレビのインチ数によって異なります。テレビの画面サイズが大きいほど、視聴距離も長くなるのが基本です。
以下は、テレビのインチ数ごとの推奨視聴距離です。
テレビサイズ | 推奨視聴距離(フルHD) | 推奨視聴距離(4K) |
---|
32インチ | 1.2〜1.8m | 0.8〜1.2m |
43インチ | 1.6〜2.3m | 1.1〜1.6m |
55インチ | 2.0〜2.8m | 1.4〜2.1m |
65インチ | 2.4〜3.6m | 1.7〜2.5m |
75インチ | 2.8〜4.2m | 1.9〜2.9m |
② 目線の高さとテレビの設置位置のバランス
テレビの設置位置も重要です。ソファに座った時の目線の高さが、テレビ画面の中心とほぼ一致するように調整しましょう。
座った状態の目線の高さは90~110cmが一般的です。テレビ台の高さは、この目線に合わせて調整すると、長時間の視聴でも疲れにくくなります。
③ 長時間視聴による疲れを軽減するための理想的な距離
テレビとソファの距離が近すぎると目が疲れやすくなり、遠すぎると画面の細部が見えにくくなります。推奨距離に基づき、快適な視聴体験を目指しましょう。
壁掛けテレビの場合は、壁からソファまでの距離も考慮に入れ、視線が上下しないように注意しましょう。